青木設計事務所の建築ブログ

静岡を拠点に活動する青木設計事務所のブログです。 家づくりをしながら考えていることや実家の井川のことなど 日々を綴ります。

ホームページ:http://aokiarchi.jp

この歳(65才)になって初めて宮崎駿原作・監督の「風の谷のナウシカ」を観ました。
皆さんもご存知の通り40年も前に造られ大ヒットした映画です。
人間の私利私欲の果てに環境が破壊され、 人間の暮らしが一変した物語です。
汚染から身を守るためにマスクをつけた姿は、現在の状況下とまさに重なります。

主人公のナウシカが、腐海という汚染された森は、実はその森自らその犠牲となり
地下へ清らかな水を湛えた美しい世界を造っていることを知り、
これから何をするべきかを悟る物語です。

ある作家の言葉に、
「先人の失敗や努力を知ることで大切にするべきことがはっきりしてくる」とあります。
その言葉と同様に、この映画は宮崎駿監督から私たちへのテーゼとも言えます。

高度経済成長とともに置き去りにされてきた環境破壊は、
50年も昔ですが私がまだ中学生の頃、汚染された空として「スモッグ」、工場用排水により汚染された川・海に堆積した「ヘドロ」、全国的規模に広がった「公害病」と、そんな言葉がメディアに登場しました。

利便性を追求するあまり、反省されることなく私達は現在も同じ過ちを犯しているのかもしれません。
その文明に私もドップリと浸かっている有様です。
この歳になって初めて、環境に優しい 生活とは何か?もう一度考え直さなければなりません。

そんな気持ちにさせてくれた映画でした。



nobu 

みなさま、明けましておめでとうございます。

今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。


2020年を迎えた昨年1月初頭は、2020というキリの良い響きや、オリンピックも控えていたこともあり、新しい希望の年の幕が開いた!と思えたものです。

しかし、コロナ以降、生活は一変しました。
人は皆マスクをつけ、直接コミュニケーションをとる事さえ厳しい不空気感です。
建築について言えば、おうち時間おうち空間が見直されていると言われています。
僕らが現在携わっている仕事の中でも、テレワークができる小部屋を新たに設けたり、充実したキッチン空間にリフォームする物件に携わるなど、「うち」に意識を向ける視点が大きくなりました。
 

このような時代の中でも何かの巡り合わせなのか、現在新築の計画では、年末にご紹介した「開かれた新しいお寺」や、「町と生きるサロン&住まい」「仲間たちが集うガレージハウス」と、「うち」だけでは完結しない空間づくりに取り組んでいます。

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時間軸を長く捉え、「うち」だけではなく「そと」を意識した、他者や世界と共存する空間づくりは、もともと日本に根付く思想の一つ。
時代の変化と普遍性を見極めて、責任を持って取り組んでいく一年にしたいです。

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みなさま、いつも青木設計事務所のブログを見てくださり、ありがとうございます。

重ね重ね、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 
青木設計事務所
青木信浩
青木良介


 

この1年コロナに始まり世界中を席まきしながら終わることなく、その勢いは来年へと続くようです。
生活様式も変わりました。自分だけ良ければ良いという考えは、
今後はこれまで以上にブーメランのように自分自信に跳ね返ってることになると思います。
協調という言葉が大事な時代となることでしょう。
来年は明るい光が射すことを願います。

今年は例年以上に仕事を追われ、職を失い困窮している人たちが増えています。
私の事務所も延期や中止になった案件を抱え、少なからずその影響を受けました。
それでも私達にとっては朗報もありました。以前このブログでもお話ししたように
「明王寺:書院・庫裡再建計画」に携わることができたことです。

明王寺は、臨済宗妙心寺派のお寺で数百年の歴史のあるお寺です。
この「お寺」という公共性のある建築に携わることは私達にとっては初めてのことで、
設計競技を経て私達が指名されたことは、大きな自信ともなりました。

コロナ禍により「協調性」がより重要視されるなかで、
「お寺の書院・庫裡」の建築に携わることが出来ることに、深く喜びを感じています。 

今年の最後のブログとして、
「明王寺:書院・庫裡再建計画」について紹介したいと思います。
私たちの提案は「開かれた明王寺」をテーマにしたものでした。
子供から大人、お年寄りも気軽に訪れ、参拝して
「地域コミュニティの集いの場」となることのできるお寺を目指しました。
またお寺は広い境内を持つことで、今後災害時の防災拠点施設にもなりうる場所とも言えます。
それらのことを考えての提案としました。

計画案全体の模型俯瞰図です。
左手の不動堂と本堂は既存のものです。右手前の平家部分が新たな書院、その奥の2階建物が庫裡です。
明王寺俯瞰正面のコピー
アプローチのスケッチです。
開放された境内の庭に対して大きなウッドデッキを設けました。
参拝者、訪問者が気軽に休めるベンチ、デッキになればと思います。
明王寺アプローチのコピー2

玄関のスケッチです。
正面は控え室、右手奥が本堂への通用口となります。
本堂との段差を解消するために車椅子用昇降機を備える予定です。
明王寺玄関修正3のコピー

客間のスケッチです。
広間・デッキ・庭へとひと繋がりの広々とした空間となります。
旧明王寺客間1−2のコピー

現在、計画案の検討修正をしながら設計を進めています。
木造建築の王道とも言える質素な切妻屋根の佇まいとし、その内部は木造軸組構造を素直に表現したいと考えています。
完成予定は、令和4年の初旬です。
今後、計画案・工事の進捗状況を少しずつ紹介していきたいと思います。


新しい年に向けて、私たちが出来ることに精一杯取り組んでまいりたいと思います。
今後とも、青木設計事務所をどうぞよろしくお願い申しあげます。




                                 青木信浩 青木良介









 

現在工事中の「長沼の家」を紹介します。

 1階土間リビングの画像です。
 北東の出隅コーナーに向け可能な限り開口部を設けてあります。
R0004883
 3階リビングです。
R0004897
片流れの屋根と対角線状に45°に振られた切妻屋根を組み合わせた軸組構造を、
そのまま内部に表現しました。
ここでも屋根形状に沿って間口一杯に開口部を設けてあります。
遠く北東の奥には富士の山を望みます。 その左側北方向には南アルプス連峰、手前に谷津山、
奥に浅間山の緑、そして静岡市街へと続き視界がパノラマ状に開いていきます。
意図した以上の視線の広がりを生み出すことができました。
屋根下空間にスッポリと包み込まれたような感覚を覚えます。

 屋上テラスから富士の山を眺望。
 軒先が空を切り取り、3階建てならではのちょっとした贅沢な展望台と言えます。
IMG_1106

1階の土間リビング、3階リビング 、屋上テラス。
それぞれ開口部・屋根形状と建物により切り取られた周辺景観を望むことができ、
設計時に考えていた以上の空間体験を創り出せそうです。
それもこれも、建築主のご理解と施工会社の仕事への真摯な姿勢の賜物です。

完成まで残すところあと二ヶ月。
工事に携わる皆様、よろしくお願いいたします。 




nobu 

早いもので竣工して1年が経ちました。
建設会社の担当者を交えての点検です。

建築主さんには予め気になる箇所や不備事項をリストアップしてもらいました。
リストを含めそれ以外の部分について、内部から外部へぐるりと見て回りました。
施主の揺るぎない想いで建物全体はモノトーンで仕上げてあります。
その仕上がりは今日も竣工当時と変わりなく美しい状態を保っていました。
特に大きな問題もなく、リストで指摘された箇所については、
早急に対応することで検査は終わりました。

この画像は、光の当たり具合でガラスにシール跡が浮き出るというので,
皆で探しているのですがどうもわかりません。
加工mage2

後日この画像が届きました。運良く写真におさまったようです。
確かにシール跡が浮き出ています(中央の四角形)。
ガラスに焼き付けられたのでしょうか?こんなことってあるんですね。

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中庭のモミジが色づき始めています。
紅葉も間近です。


nobu



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日本を代表する建築家竹山聖氏の自叙伝を含めたエッセイです。
氏は大学卒業とともに、就職という通常の過程を経ずに仲間と共に設計事務所を立ち上げました。
その名は「アモルフ」。規則性を持たない不定形という意味のようです。
生き方もその作品もその名の通りです。

通常のレールの上を走るのではなく自分たちの設計理念のもと、その設計活動に全てを賭け、未来への希望に漲っての門出だったと思います。 
開設当初は知人の紹介で設計しながら執筆活動で凌いでいたとあります。
その後バブル経済という転機が訪れました。不動産を扱うディベロッパーの仕事です。
 ディベロッパーの数字を追うだけの銭勘定の仕事にも関わらず、アモルフは常にそれまでに培った設計理念、建築に対する真摯な姿勢で臨み、そのことはやがて ディベロッパーからの信頼を勝ち取り次々と作品を世に送り出しました。そして、その都度新たな出会いがあり、それがまた次へのステップとなり、35歳という人生の節目の年(村上春樹著:プーサイド)から京大に招かれ教鞭をとりはじめ、アモルフの設計活動とともに現在に至ります。

追想で初めて公共建築に携わった時のことがありました。氏の母校の設計依頼にかつてない喜びと興奮を覚えたとあります。民間事業とは異なる営利を目的としない事業の設計は魅力的でこの上ない喜びを感じたと思います。私は地方のしがない設計士ですが今回初めてあるお寺の「書院・庫裡」の設計を設計競技の末、受注することができました。公共の仕事ではありませんが檀家さんをはじめ不特定多数の多勢の人達が集まり利用する施設の設計は、私にとってはかけがえのない貴重な経験であり気持ちの上でも充実した面持ちで現在取り組んでいます。

本の中で一貫して「人との出会い」を論じています。
恩師をはじめ、友人、知人、クライアント、異職種の人達、etc・・・。
数多くの出会いがあり、影響を受け、助けてもらい、それらが全て財産となり現在があることに感謝の気持ちが絶えません。
「出会いが人を造り、人生を変える。」そんな思いがあります。

  建築は別世界を作りあげる作業
  建築は夢を売る仕事

そんな氏の言葉を胸に、もう一踏ん張りしようと思います。



nobu

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林道から眺める井川湖と井川の集落
ここまで来ると「ああ、帰って来た」という思いになります。
故郷はいいものですね。

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空の青さが湖面に映えます。五郎ダムから撮影

二ヶ月ぶりの帰省でした。
秋も深まり山々は紅葉で染まり天気も良く穏やかな1日でした。
ここから小一時間かけて南アルプス方面、畑薙ダムまで行くと紅葉は一段と鮮やかと聞きます。
私は井川生まれですが畑薙ダムの紅葉をまだ見たことがありません。
灯台下暗しとは私のことのようです。



nobu

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この日は、長沼駅前の魚屋さん「魚進」さんでお昼ご飯を食べてきました。
父が海鮮丼、僕はカキフライ定食を。
美味しそうでしょう?んもう、めっちゃ美味しかったです!!
食後の幸福感がすごいです^ - ^

長沼駅前の魚屋さんと聞いたら、ピンと来る人も多いはず。
お店に入ったことはないけど魚屋さんがあることは知っていた、という人もいるのでは。
かく言う僕もその一人でした!
長沼の家に携わらせていただいたことで「魚進」さんとご縁ができました^ - ^
「飲食スペースのある魚屋さん」なので、今回の僕らのように店内で種類豊富な定食を食べることができるのはもちろん、鮮魚や煮魚、揚げ物等の種類豊富なお惣菜もその場で購入することができます。
煮物は甘めの優しい味付けで、ご飯にぴったり合います!
何度もリピートしたくなる味です^ - ^
店内に入ると、元気なお母さん方が温かく迎えてくれるので、初めての方でも大丈夫。
古き良き魚屋さん空気感を残す店内は、懐かしくて優しい気持ちになれます。

お昼時は席が空いてないくらいに大人気のお店なので、みなさんチェックしてくださいね!
是非オススメしたいお店です^ - ^


Ryosuke



 

季刊誌「ガレージのある家」での掲載は、「ロッソハウス」から数えて6軒目となりました。
この間、このマニアックな雑誌を通じて新たなお客さんにも廻り会えました。

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Y邸の敷地を初めて視察した時、間口18mの敷地は非常に魅力的でした。道路手前側と奥側で約1mの段差があり、手前側にガレージスペース、奥側に住居スペースを配したスキップフロアのガレージハウスの構想は自然な流れで決まりました。
そして、この間口の広さを生かし、オープンガレージとインナーガレージの上部におおらかに軒庇を掛けて、これを縁側に見立て、奥へ奥へと幾重にも水平に伸びる多重屋根の構成としました。
名付けて、「engawa garage house」 です。

オーナーのYさんを紹介してくださったのは、私が日頃大変お世話になっているWさんです。WさんとYさんは子供の頃からの親友とのことです。Wさんのお住まいも設計させていただき、
「ガレージのある家」に掲載させてもらいました。

お二人とも車が大好きです。
このようにお客様からの紹介は非常にありがたく、と同時にその責任も痛感します。
今後も末長くお付き合いできるようにメンテナンスを含め携わっていきたいと思います。




nobu 

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長沼の家が上棟しました。
大工さんたち、連日お疲れ様です!
おかげで3階建ての木造の骨組みが組み上がり、昨日上棟式を迎えました。

建前を見ていて、大工さんってホントすごいなぁと改めて思いました。
こんなに大きな物体を、人の手で造り上げてしまう。
空中を飛び回りながら、着々と。
造っている時、設計者の僕らは見ていることしかできません。
心の中で「ありがとうございます。お願いします」という気持ちで
だんだんと形ができてくる現場を眺めていました。
大工さんだけではなく、これから関わる職人さんたちにも同じ気持ちです。
僕らができないことをしてくれる。それはお互いに。
家は、一人では造れないことが一番素敵なところですね。

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この写真は、建物の屋上から見た富士山です。
もちろん3階からも見えます。
1階2階3階屋上と、それぞれに周辺環境との関わり方やがあり、木造の特殊な木の架構とも相まって、とっても面白い空間達が生まれる予感。

Ryosuke






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