ガレージのある家 Best100 Vol.7に掲載されました
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「ヘザウィック・スタジオ展」の感想




ちょっと前に行った建築展について書こうと思います。
「ヘザウィック・スタジオ展 -共感する建築-」
トーマス・ヘザウィック
ロンドンオリンピックの聖火台をデザインした人、と言えば分かる人もいるかもしれません。
僕はあの花束のような聖火台が大好きで、それをつくった人が建築家だったことにも驚き、日本で展示会があると知った時にこれは行かねば!と思い急いで足を運んだ次第です。
建築展のポスターにあるタイトルは「Building Souulfulness」
直訳すると「魂がこもっている建物」
展示会の中でヘザウィックさんご本人がしきりに言っていたことは、
「愛されない建物は壊される」という提言でした。
逆に言えば、愛される建物は残る、ということ。
30年~40年で壊して建ててを繰り返してきた日本ではあまりこの価値観は感じられないかもしれないけど、長く使われているものは建築に限らずみな愛されているものだと思います。
記憶に残り、愛される建物、1000年続く建物をつくる。
展示物に圧倒され、そんなことを本気で考えている人なのだと思い知らされました。
それから、魂がこもっている建物について語っていた部分で
「人が泣ける場所をつくる」という言葉が刺さって仕方がなかった。
病院の設計をするときのインタビューだったと思います。
根底にあるのは、単なる建物をつくるのではなく「感情の建築」をつくること。
この人の造っている建物は、大きいものばかりなのに人間の身体性(ヒューマンスケール)から離れないように小さなものの集合体(反復)としてデザインされているものばかりだと気付きました。
植物のような、生き物のような、誰も見たことのないような。
それは僕が最初に見たロンドンオリンピックの聖火台も同じで。
全てが繋がり出しました。
ヘザウィック・スタジオは、夢のある造形的な設計を、現実的に言語化して建築の一つの真理に辿り着いているように思います。
かつての建築の巨匠たちが言った「形態は機能に従属する」や「神は細部に宿る」と言った思想を、華麗に更新している。先頭を切っている世界的建築家でありデザイナーだと思いました。
そしてこの展示会を通して一番思ったこと
「建物はもっと人の心に寄り添える」
良介
井川お茶摘み2023
掛川の家
新しいカメラを買いました
掛川の家 家族みんなでDIY塗装
明王寺 落慶式



明王寺書院庫裡の再建工事が完了し、先日落慶式が行われました。
この日はお天気にも恵まれて、良い門出となりました。
お昼ご飯にはお寺経営の「精進料理とどろき」さんのお弁当をご馳走になりました。
さらに感謝状までいただき、本当にありがたいです。
ご住職が挨拶で言われていたのですが、建物は建って終わり、ではありません。
これから色々な方に使っていただけることで、明王寺が目指している「地域に開かれるお寺」になっていくと思います。
もともと明王寺には大変立派な山門や本堂があり、整えられた庭や池があり、立ち寄るだけでも心が洗われるような魅力のある場所でした。そこにこの度、訪れた人が気軽に座れる縁側と広間を持つ明るい書院ができました。オープンキッチンもあります。駐車場もあります。
少しずつ引越しその他の準備が進み、今後イベントも企画されると思いますので、機会がありましたら一度明王寺に来てみてください。
普段の何気ない日でも構いません。
きっと、あたたかく迎えてくれる場所と、人がそこにいます。
どうぞよろしくお願い致します。
明王寺googlemap
https://goo.gl/maps/GoSdYqMzcNFXHwfFA
明王寺ホームページ
https://buddhist-temple-3739.business.site/?hl=ja
「USAGI 十時孝好展」亀山画廊 2023.02.09(木)〜02.20(月)

リノベーションの設計をさせていただいた施主さんに教えていただいた作家、十時孝好さん。
写真は施主さんが所有しているUSAGIの彫刻。
手前のウサギはなんと椅子なんです。
初めて見た時、フォルムも色彩も僕が目指す美の境地だ!と思うほど虜になってしまいました。
そして2月9日(木)〜2月20日(月)
鷹匠にある亀山画廊にて「USAGI 十時孝好展」がやっていることを教えていただき、いってきました!
画廊ではご本人にお会いできて、お話もできて、本当にありがたい時間でした。
生で見た数々のウサギたちは、まるで生きているよう!という感じではなく
とにかく美しかったんです、その存在が。
これはなんなんだろうと思っていたら十時さんが語ってくれました。
「生き物に近づけてはつくらない。近づければ近づけるほど、死に近くなってしまうから」
「だからウサギを作ろうとはしていない。木という素材と対話して、削り、木という素材と呼応して、色付ける。とことん木なんだよ」とおっしゃっていたのが印象的でした(曲解してたらすみません!)
何かっぽいものを作るのではない、と。
それはもしかしたらウサギなのかもしれないし、人間なのかもしれないね、と。
彫刻として重力にどう回答するかも重要、とのことでした。
素材との対話も重力への回答も、建築にも通じるなと思いました。
色への考え方も面白かったです。
最初は赤と向き合って、次に白、今は黒なのだとか。
赤は赤でも金をまぶすと優しくなったり、あえてツヤを出して鉄のように見せたり。
奥深い表現技法を聞いているだけでうっとり。
USAGIの目の話になった時に聞いたのですが、仏像は目の焦点が見る人と合わないように半開きで外向きに開いているそう。言われてみれば確かに!
己にしかできない表現を追求するアーティストのルーツは計り知れないものです。
とても勉強になり、創作意欲が増した1日でした。
期間中、十時さんは13時過ぎくらいからは毎日在廊されるそうですよ^ ^
良介