青木設計事務所の建築ブログ

静岡を拠点に活動する青木設計事務所のブログです。 家づくりをしながら考えていることや、実家の井川のことなどなど 日々を綴ります。

ホームページ:http://aokiarchi.jp

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「縮尺の建築展」






静岡市クリエーター支援センターで行われている展覧会「いろいろやるら。」を見てきました。

廃校となった学校の教室が展示会場なので、文化祭のような何とも良い雰囲気。



何組かのクリエーターがいる中で、一番興味があったのが、





「縮尺の建築展」:後藤周平





この展示は、「縮尺」に着眼し、様々な模型を使ってひとつの建築の思考プロセスを覗き見ようというものでした。
建築はそのあまりの大きさのため、1/1で考えることが困難です。でも、だからこそ、建築家が建築をつくるプロセスや考え方は、それ自体が面白く発見に満ちているのではないか、という作者の意図。
 
 
展示室には1/1000、1/500、1/200、1/100、1/50、1/30、1/10…
と様々な縮尺の模型が並べられ、同じ建築の模型なのに、その模型ごとに印象や見え方が変わり、
どれも同じはずなのにどれも違う?すべてが本物ですべてが偽物?みたいな不思議な風景に出会えました。

しかも、窓や家具を切り取った1/1の展示もあり、訪れた人たちに1/1のスケールを他のスケールとの比較対象として体感させてくれています。


極めつけは、この展示会場自体を縮小した模型まであって、自分が今見ている風景が模型となってさらにその模型の中に模型があるというスケールのマジック…
いつか見たイームズのPowers of tenを思い出し、自分の意識の輪郭が拡大していくような感覚になりました。



模型だけでここまで鮮やかに、そして具体的に体感できる展示になっていることにびっくり!
こういうことが実行できる人がとても羨ましく、そして尊敬してしまいます。










建築をつくるとき、

敷地を見に行って、実際のスケール感や空気感を感じたり、
はたまた図面の中、スケッチの中、模型の中、頭の中、いろんなところでイメージが形作られ、1/1に向かっていきます。





そんな中でも思考ツールとしての建築模型はやはり僕らにとっても特別なものです。





模型は自分の頭で考える以上の創造をくれます。
(頭が弱いので紙面上で立体を考えられないということもあるのですが…)


自分がつくっているものなのに、つくった自分が驚いて、発見して、また想像が膨らむ。
スケールを変えたり、家具や人を入れたり、色を付けたり、
そしたらまた広がっていくんです。


模型という抽象的なものだからこそ、純粋に見えてくるものがあるというか…


ま、それだけにとらわれていても建築はできないのですが、
自分の中から生まれるものが飛躍してできていく模型は、何とも愛おしいものです。



それに模型って単純に楽しい!
小さい頃よく遊んだプラモデルやフィギュアなんかもそうなのかな。
人って、実物より小さいものの世界の中に、心くすぐられる何かを感じるのでしょうか。







そうそう、この展示会は6月11日までやっているそうなので、興味のある方は是非行ってみて下さい。







Ryosuke









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「徹」 設計:藤森照信


清春芸術村の広場の隅っこに、小さくてかわいらしい、まるで自分の手の中におさまる宝石のようのような建物があります。藤森照信さん設計の小さな茶室「徹」です。

思わず自分もほしい!と思ってしまうくらい、子供心をくすぐられました。


藤森さんの何がすごいって、好きなものをおもいっきり楽しんでつくっているのに、ちゃんと美しい建築になっているところ。
そして建築界以外の多くの人の心をとらえて離さないところです。


人の手でしか生み出せなそうにないこの優しい建築は、例のごとく縄文建築団の手によって仕上げられたようです(縄文建築団とは藤森さんをはじめとする素人だけの施工集団です)。


正直、憧れます、縄文建築団。

同じ志のもと、一声で集まり合える仲間がいるってすごいことですよね!

建築の場合、共同作業で成し遂げるからこそ、その意味が増すと思うんです。

藤森さんは今の建築界が忘れかけている、自分たちでつくることの喜びや建築の楽しさを身を以て発信し続けてくれています。

自分も影響された一人で、「加藤先生の家」では塗装工事やタイル工事など、仕上げに関わる部分の施工はなるべく自分たちの手で行いました。これからは影響されるだけではなく、自分たちなりのスタイルを確立していきたいものです。



清春芸術村にある「徹」は、普段は中に入れず一つのオブジェのような位置付けです。

でもこのワクワクする建築の存在が、芸術村全体の世界観を作り出している気がしました。





Ryosuke










 

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光の美術館 クラーベギャラリー(設計:安藤忠雄)
 

安藤忠雄氏の代名詞でもあるコンクリート打放造りの建築です。
しかも、自然光だけで作品を鑑賞する世界で唯一の美術館です。
クラーベは、巨匠ピカソに認められ世界の画壇に躍り出た画家で、ここ清春のラ・リューシュにも滞在したことがあり、それが縁で、クラーベから寄贈された大作が展示されています。



この美術館は、決して大きい建物ではありませんが、建築の教本になるような手法が随所にちりばめられた建築です。

打ち放し型枠の目地から見ると、間口
3間×奥行き8.5間×高さ4.5間の寸法のキュービックな建築。
出隅コーナーの
1カ所がテーパー状に斜めにカットしてあります。
日本で流通する規格寸法を無駄無く上手に使うことは、大切なことです。
さすがに仕上がりがきれいです。

このテーパーのカット部分には、トップライトのガラスはめ込まれてあります。
コンクリート壁の小口が斜めに大きく見えてしまい、意図しているシャープでスッキリした感じとは裏腹に、おおぼったい感じが拭えません。外部からの見えかたとして、
RC壁の小口を鋭角の頂点だけが見えるようにカットすれば、もっとシャープで、頂点の垂直線だけが見えるようになったのではと思うのですが・・?この部分は、内観でも決して美しい納まりではなかったのが残念です。


 

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コンクリートの庇を通りエントランスに入ると、正面にステンレスのカウンターがあります。
天井高
2400の受付を通り右に曲がると、天井高7.2mの展示ホールに抜け出ます。入口は低く低く、そして、奥へは高く高く、広く広くの手法です。建物の構成は、四角形平面を対角線に切り取り、半分を2階展示ホール、残り半分を吹き抜けの計画です。
ホールに躍り出た途端に天窓よりふりそそぐ光が、コンクリートで統一した床・壁・天井の無機質な空間を、天候や時間の変化とともに抽象的に映し出します。来訪者は別世界に迷い込んだ時のような、高揚した気持ちで館内を巡ります。展示物に目を配ることも忘れそうなくらい身が引き締まる感覚です。


コルビジェが
初期の計画案で小さな四角形の住宅を設計していた時の話があります。
の小さな空間でもっとも大きな寸法が何かを探していて、それが対角線であることを発見したとの記述を思い出しました。
対角線は、広がりと収束を同時に合わせ持つ特異な区分線です。

普段、建築を計画するうえで忘れかけていた線だったので、今回のことで改めて着目することができ、少し視野が広がった気がしました。



最後にトイレに入りました。
芸術的というべきかアートというべきか、
静寂で神秘的な空間でした。

 
 
 

 

nobu







 

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梅原龍三郎氏のアトリエ(設計:吉田五十八) 外観

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梅原龍三郎氏のアトリエ
(設計:吉田五十八) 内観




ゴールデンウイークを利用しての建築探訪です。
曇りがちな天気でしたが、交通もさほど渋滞もなくドライブ日和の良い一日でした。

 


清春芸術村は、北杜市の郊外で少し山を登った丘の上に位置しています。
最初に目に飛び込んでくるのは、赤煉瓦造りで円形状の多角形の建物です。
これは、「ラ・ルーシュ」という名前の
パリにあるアトリエを模して再現されたものです。
一見ドーム型の教会を思わせるものですが、
アーティストたちの創作の場としての貸し出しアトリエとのことでした。


この芸術村には、日本の近代建築を牽引してきた、
著名な建築家達の設計による建物が棟を連ねています。


設計に携わる者にとっては、楽しい一日が過ごせる場所でもあり、
それらを感想を交えて紹介していきたいと思います。

 


 

梅原龍三郎氏のアトリエ


吉田五十八の建築を目にするのは、初めての経験です。
画家のアトリエで木造平屋の小さな建物です。

玄関ポーチに向かって歩いて行くと、
母屋の切妻屋根にそっと寄り添う下屋の片流れ屋根が、
私達を静かに迎え入れてくれます。

内覧ができなかったので窓越にみる程度だったことが残念でしたが、
外観の質素さに比べて内部のおおらかさは、
ガラスの窓越からも十分伝わってきます。


日本の住宅に下がり壁を設けず、
床から天井いっぱいまで建具で間仕切る手法を取り入れたのは、
吉田五十八が最初だと記憶しています。
それと今では一般的で誰もがつかう、
障子やふすまを壁の中に引込んでしまう手法も、
吉田五十八が最初だったと思います。

もちろんこの建物でもはっきりと見てとれました。
玄関から見える奥のアトリエの建具(ふすま)がそうです。
天井面ですっきりとアトリエのボリュ—ムのある空間が切り取られているため、
玄関に立つと吸い込まれていくような感覚が伝わってくるようです。
ふすまもきっちり壁の中に収まっています。



これがまさしく、「吉田和風」なるものと感じ入りました。



nobu 









 

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バイオリン、ピアノ、フルート、リコーダー四重奏の音楽会

「東日本大震災義援金としてのチャリティーコンサート」に行きました。
企画は静岡で音楽教室を開く先生とその仲間達。
プロの生演奏と、未熟ながら教室の子供たちの演奏もあり、
それぞれの思いは違っても、
場をひとつにする音楽の魅力とライブの醍醐味を、
久しぶりに感じました。

建築もしかり、
写真から発するものには限界があります。
やはり、現場にて
「光・音・触感」等に五感を働かせ、
素直に感じるものに、設計活動に活かせる手がかりがあるはずです。
もっと建築に接しなくてはなりません。

しかしながら、
音楽家たちの意欲的なチャリティーコンサートに接し、
私の建築士としての活動も問われているようで、
災害時だけではなく、日常のボランティア活動に、
もっと意欲的でなくてはならないと、考えさせられました。


写真は、知人の清水貢年さんのポストカードです。

コンサートの案内といっしょに配られたものです。
清水さんの旅の写真画像も、 
音楽会といっしょにバックスクリーンに放映されました。

彼の写真には必ずと言っていいほど、
旅先で出会った子供たちの愛らしい姿があります。
彼のあたたかさとやさしさを感じます。


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加藤先生の家におじゃましてきました。

季節が巡り、庭のヤマボウシにもようやく葉が茂ったことで、家の雰囲気が生き生きとしてきました。
庭を挟んでアトリエと母屋が向かい合っているので、季節の変化が庭を介して建物内に色濃く現れています。

また、住みながら建物のあちこちに手を加えてくださり、訪れるたびにワクワクしてしまいます。




今日はというと、この家のアトリエを使って建築作品展をやらせていただきたいというご相談をしてきました(建築模型や写真の展示、モザイクタイルや塗装のワークショップなどを考えています)。

加藤先生はこちらの無理な要望を快く受け入れて下さり、本当に感謝しています。


早いうちに段取りをして実行していきますので、ご興味のある方は是非!



Ryosuke










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『稲川アパートメント』の現場ではいよいよ型枠工事が始まりました。
通常の型枠では出ない表情を出すために、
あれやこれやと、型枠の材料を変えてみて試行錯誤を繰り返していたのですが・・・
震災の影響が大きく、私達の考えていた材料での施工は厳しい事になりました。
そこで、パネル目地で表情を出そうと考えました。
写真のように、1800×600のパネルと900×600のパネルを互い違いに組み合わせ、しかもパネルの張り方向も反転させることで、パネルのジョイント目地と共に、コンクリート壁の打ち上がりが、より一層表情を豊かにすることを期待しています。



建築は、大草原に小さく佇もうと
ここ稲川のようなにぎやかな大通りに面していようと
道行く人の目に触れ
何かを感じさせてくれるはずです。


街並みに表情を与えて
心を弾ませてくれるような
ウキウキさせてくれるような
さりげなく生活に潤いをあたえてくれるような

そんな建築を造りたい。





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Photo.平和町の家




ずいぶんと更新をおろそかにしていました。

まず、東日本大震災により被災された人たちに心よりお見舞いとお悔やみを申し上げます。

地震から今日でちょうど一月。
今もなお余談を許さない状況です。
今、自分たちにできる行動をしていかなければなりません。



一月前は真冬のように感じた寒さもやわらぎ、
今日あたり静岡の街はどこも桜が満開です。
春の霞がかった空にピンクのさくらがよく映えます。


上の写真は静岡市内にある親類の家。
青木設計事務所として初めて設計した家です。
もうかれこれ20年近く経ち・・・

毎年この季節になると、家の前の桜がとてもきれいだったなとふと思い出し、打ち合わせ前に寄らせていただきました。

特別に主張するでもなく、いつ来ても凛とした佇まいという印象の家。

ほんの数枚ですが手取りの写真をHPの方にもアップしておきましたので、また覗いてみてください。 





Ryosuke





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関係者一同


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敷地



平成23年2月7日:大安吉日の地鎮祭。
稲川のこの地の神様を鎮め、
工事の安全と竣工までの無事を、
工事関係者一同で祈願する、
日本古来の伝統儀式です。

この日ばかりは、私たちも正装して式に出席。
鎌入れ、鋤入れ、鍬入れの儀式は、
いつ見ても工事着工の伝統の深い味わいを感じ
「エイ・エイ・エイ」のかけ声と共に
心引き締まる時です。


この日を迎えるまでに何度もこの土地を訪れて、
光や風の抜け、周辺に住む人や建物との関わりなど、
建物を計画するための調査・検討を行ってきました。

今回は、建物が静岡の中心にほど近い幹線道路沿いに建つこと、
規模が一般住宅に比べて大きいことも関係してか、
より広域的な土地の意味や歴史まで意識させられた気がします。

土地と建物は切っても切り離せない関係です。
小さな土地でも大きな建物でも、自分だけにならずに、
土地の事、まわりの事、町のことをみんなが少しずつ意識すれば、
もっともっと住みやすい静岡になっていくのではないでしょうか。


本日は、この地に建つ建物が末永く町に好まれるよう願うばかりです。


建物の詳細については追ってご紹介致します。



nobu, Ryosuke





 

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OSB


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ラーチ


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施工の様子






自作で型枠を造り、コンクリートを打ってみました。

現在計画中のワンルームアパートの外壁のスタディです。
化粧合板型枠による規則正しい凛とした表情も美しいのですが、今回は建物自体がシンプルな箱形となるため、少し表情に変化のあるものが出来ればと考えて試行錯誤中です。


今回はコンクリートの打ち上がりの表情を、通常のコンパネではない、OSBとラーチ合板で試してみました。

何ぶんにも初めてのことで、打ち上がりは、ピンホールあり、ジャンカーありとさんざんなものですが、それ相応の表情は出せたかと思います。

この素地の壁面を損なわないように、薄化粧の色彩を施して仕上げる予定です。



コンクリートという素材には、「重たい」「固い」「冷たい」というイメージを抱きがちです。しかし、型枠次第でまったく違った表情を見せてくれる面白い材料でもあります。

もっとスタディを重ね、今回の建物に合ったコンクリートの表情を模索していきたいです。



nobu 











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