青木設計事務所の建築ブログ

静岡を拠点に活動する青木設計事務所のブログです。 家づくりをしながら考えていることや、実家の井川のことなどなど 日々を綴ります。

ホームページ:http://aokiarchi.jp


IMG_1148-3
Photo.平和町の家




ずいぶんと更新をおろそかにしていました。

まず、東日本大震災により被災された人たちに心よりお見舞いとお悔やみを申し上げます。

地震から今日でちょうど一月。
今もなお余談を許さない状況です。
今、自分たちにできる行動をしていかなければなりません。



一月前は真冬のように感じた寒さもやわらぎ、
今日あたり静岡の街はどこも桜が満開です。
春の霞がかった空にピンクのさくらがよく映えます。


上の写真は静岡市内にある親類の家。
青木設計事務所として初めて設計した家です。
もうかれこれ20年近く経ち・・・

毎年この季節になると、家の前の桜がとてもきれいだったなとふと思い出し、打ち合わせ前に寄らせていただきました。

特別に主張するでもなく、いつ来ても凛とした佇まいという印象の家。

ほんの数枚ですが手取りの写真をHPの方にもアップしておきましたので、また覗いてみてください。 





Ryosuke





RIMG0008
関係者一同


42)

敷地



平成23年2月7日:大安吉日の地鎮祭。
稲川のこの地の神様を鎮め、
工事の安全と竣工までの無事を、
工事関係者一同で祈願する、
日本古来の伝統儀式です。

この日ばかりは、私たちも正装して式に出席。
鎌入れ、鋤入れ、鍬入れの儀式は、
いつ見ても工事着工の伝統の深い味わいを感じ
「エイ・エイ・エイ」のかけ声と共に
心引き締まる時です。


この日を迎えるまでに何度もこの土地を訪れて、
光や風の抜け、周辺に住む人や建物との関わりなど、
建物を計画するための調査・検討を行ってきました。

今回は、建物が静岡の中心にほど近い幹線道路沿いに建つこと、
規模が一般住宅に比べて大きいことも関係してか、
より広域的な土地の意味や歴史まで意識させられた気がします。

土地と建物は切っても切り離せない関係です。
小さな土地でも大きな建物でも、自分だけにならずに、
土地の事、まわりの事、町のことをみんなが少しずつ意識すれば、
もっともっと住みやすい静岡になっていくのではないでしょうか。


本日は、この地に建つ建物が末永く町に好まれるよう願うばかりです。


建物の詳細については追ってご紹介致します。



nobu, Ryosuke





 

RIMG0539
OSB


RIMG0540
ラーチ


RIMG0506
施工の様子






自作で型枠を造り、コンクリートを打ってみました。

現在計画中のワンルームアパートの外壁のスタディです。
化粧合板型枠による規則正しい凛とした表情も美しいのですが、今回は建物自体がシンプルな箱形となるため、少し表情に変化のあるものが出来ればと考えて試行錯誤中です。


今回はコンクリートの打ち上がりの表情を、通常のコンパネではない、OSBとラーチ合板で試してみました。

何ぶんにも初めてのことで、打ち上がりは、ピンホールあり、ジャンカーありとさんざんなものですが、それ相応の表情は出せたかと思います。

この素地の壁面を損なわないように、薄化粧の色彩を施して仕上げる予定です。



コンクリートという素材には、「重たい」「固い」「冷たい」というイメージを抱きがちです。しかし、型枠次第でまったく違った表情を見せてくれる面白い材料でもあります。

もっとスタディを重ね、今回の建物に合ったコンクリートの表情を模索していきたいです。



nobu 











IMG_5379


IMG_5382


IMG_5362

 

 



昔の写真をパラパラ見ていると、なにやら存在感のある顔が・・・

 

これは、ドイツの建築家ピーター・ヒュープナーによるシュタムハイム青少年クラブという施設。


「建築って《
自由》なんだ!」と僕の価値観を広げてくれた建築でもあります。

 

 

さすがにこの顔はやりすぎじゃないかと思いつつ、
実際に見に行くと、そんなのすぐに吹っ飛びました。

 


開口部は直角なんて無視して流れるように開いていたり、

よくわからない方向にポコポコ増築したような跡があったり、

柱は子供が掘ったような愛嬌のある精度で彫刻されていたり、

ハッピーな気持ちにさせてくれるモザイクタイルがあちこちにちりばめられていたり・・・

 

これは、図面を書けと言われてもムリです。
(実際、施工するときに図面はなかったそうで)

 

 

まるで子供が描く絵のような自由な建築

 

 

IMG_5423


IMG_5421


IMG_5396


IMG_5390

 

 

この町には悲しい歴史があって、未来の子供達のために地元の人達が集結してセルフビルドでつくりあげた、というエピソードを学校の授業で教わったような記憶があります(たしか)・・・。施工当時から20年以上経っているのに、つくっていた人達の当時の笑顔や願いが今も伝わってきます。



愛情のこもった手料理が世界一おいしいのと同じで、ここで過ごす子達はみんなこの建築が大好き!

 

そんなこんなで町で知らない人は居ないというこの有名人は、魂が宿って今にも動き出しそうなほどの生き生きしさと、優しい表情をしていました。

 

 

 

こういう施設だからこそ、みんなでつくる意味があるんだなぁ。

そういえば昔の人は、自分たちの祈りの空間(教会)は自分たちの手でつくったとか・・・

 

 

この建築の設計者はきっと気づいていたんだろう。

一人では到底到達できないところへ、みんなと一緒になら行けるということを。




Ryosuke

 

 

R0011111


写真は、15年前に竣工したH邸の改修工事の様子。
この間、7年前に外廻りの木部だけは塗装の改修を行っているが、
今回は、施主の家屋に対する想いから、外壁のリシン掻き落とし、屋根、幕板、鼻隠し、戸袋、あるいは板金部分や、外構の物置、塀をも含む外廻りのほとんどすべてを、竣工当時によみがえらせたいという大規模の改修である。

この住まいは、外部にしても内部にしても、その仕上げはできるだけ素材を活かそうという主旨のもと設計が進められた。
その甲斐あって、15年という年月は、内部の杉板は心地よい飴色に変え、木々の成長と共に、外部廻りは風雨に打たれながらも、その歴史を刻むことで味わいのある風情を醸し出してくれた。素材の持つ力強い存在感や、奥深しさをつくづく感じる。

今月末には一新された姿を現してくれるはずだが、今、目の前にある少しさびた趣のある風情もまた、私にとっては代え難い姿である。
哀愁に似た寂しい想いを感じるのは、歳のせいだろうか?


nobu







 

IMG_0557



新年あけましておめでとうございます。
と言うものの、当事務所では、昨年末には実施設計を終わらせ、競争入札のための現場説明を行う予定であった物件を、予定どおり終わらすことができず、年末年始にかけ今なお図面を描いているありさまです。その上この計画が、延床面積300㎡を超える建物が対象となる、『省エネルギー法 』の届け出が必要なため、またまた四苦八苦している状態です。この『省エネ法』なるものは、温室効果ガス削減のために、建物の断熱効果を高めてエネルギーの消費を少しでも押さえましょうというのが、その主旨のようです。現政府の方針で、20%削減が世界に発信されてのこととは思うのですが、施行された省エネ対策をまともにクリアするには、大変な費用も労力も必要です。建物の断熱性能を上げることにどれほどの意味があるのでしょうか?果たしてほんとうに必要なのかどうか疑問に思います。また、そのような建材を生産するに当たっても大変なエネルギーを消費しているはずです。何やら本末転倒の感すらするのです。


年配の棟梁の話ですが、
「我々がこの職に着いた頃は、建材としての断熱材はなかった。ところが、今の住宅は断熱材なしには施工できない。お客さんの知識も断熱に関しては豊富である。しかしグラスウールのような断熱材は湿気を帯びるとどうしようもない、またコンパネのような建材自体が湿気を帯びて朽ちていく様を見ると、やはり無垢の素材には遠く及ばない。風通しの良い木造の家が一番だ」
と、こんなことを聞かされました。


また、私の施主でRCマンションを引き払い、一戸建ての木造の住まいに引っ越したお客さんがいます。施主曰く、
「ここへ引っ越してから、子供たちが風邪をひかなくなりました。冬はちょっと寒いですけどね」
断熱は公庫仕様の特別なものでもなく、吹き抜けがあり冬は確かに寒いと思います。もちろん、いまはやりの床暖房などありません。それでも、子供たちが力強く成長している話をうかがうと嬉しくなるのです。


「これらの棟梁と施主のお話、何やら通じるものがあるんだよな」と思いながら、最後の追い込みで、パソコンと格闘している真っ最中です。


本年もよろしくお願い申し上げます。


nobu

R0011007



R0010993



R0011003



R0011035



森山邸

 

森山邸とは…東京下町の路地裏に建つ10コのボリュームを持つ住宅。

設計は今年プリツカー賞を受賞した西沢立衛氏。

 

この住宅は、僕が学部の卒論を書いていた時期に竣工を迎えた。
当時、仲間の間で熱く語り合った建築であり、建築界全体でも近年もっとも論議された住宅の一つであることは間違いない。
まぎれもなく傑作。

あれから4年くらいの月日が経ち、ようやく今回この建築を実際に見ることができました。

 

 

スケール感は思ってた通りの心地よい小ささで、この場所における最適のスケール感なんじゃないかとさえ思った。

これは経験とスタディの賜物だなぁと。

 

住宅なので、見学自体は外から眺めることしかできなかったけど、透明性の高い10個の箱の隙間をグルグル歩いていると、内部空間まで疑似体験しているような錯覚も覚える。これはすごいことだと思う。内部と外部は、ほぼ等価に関係し、その周辺を含んだ全体の環境が森山邸という建築なのだなと感じられた。

 

その反面、下町の中に現れる記号的な四角い箱と「白」という色の持つ周辺への影響力の大きさ、強さを感じた。

また、薄さ、軽さ、近さの追求からこの構造や表現となっているのだろうけど、木とか土とか石など、自然材料を使ったらどうだったのだろうかとか、システムに縛られすぎてないかとか、思うこともあり…

 

それでも、この建築は素敵だし、住んでみたいし、得体の知れない「優しさ」や「懐かしさ」みたいなものを感じることはできたのだけれど…

 

 

 

 

森山邸を見学しながら、大学4年当時の自分と、今の自分の視点の違いを感じていた。

 

僕は大学4年の頃にようやく建築に目覚め、当時いろんな本を読んで、がむしゃらに設計に取り組んでいた。ただ人より面白く、より新しくと考えていたあの頃とは違い、今は自分の好みや個性を含めた方向性が少しだけ見えてきているように感じる。

 

来年は論文を書いてみようと思う。

青木設計事務所の目指していく建築について、活字にすること。

これが今の僕たちに一番必要なことだと思う。

 

今年も、もう終わります。

2011年はどんな人と出会い、どんな建築が生まれるのでしょうか。

楽しみです。

 

以上、本年はありがとうございました。



2010.12.31 Ryosuke 

モザイク新聞ブログ



またまた『加藤先生の家』です。

 

なんと、なんと!アトリエのモザイク壁画が、地元紙『シミズ毎日』12月15日号に掲載されました!写真はその記事です。

 

「記憶」をテーマにお施主さんと協力してつくったモザイクアートは工事中から近所で話題になっていた?ようで、新聞配達の方が取材のお話を持ちかけてきてくれたんです。こんなこともあるものかとびっくりしましたが、とても光栄なことです。

取材は慣れないせいか、モザイク以外の建築的なことも熱く語ってしまい、シミズ毎日の記者の方にはご迷惑をおかけしました…。しかし、できた記事は要点がユーモラスにまとまっていて、さすがプロ!と思わされました。

 

できることは自分たちで手づくりする!の精神で個人の住宅をつくっていたのに、知らぬ間に地域に影響を与えるものになっていたことが、何か不思議な感じです。「建築と一体」となっているからこそ影響が大きく、地域性を帯びたのだと思います。お施主さんを含め、みんなをハッピーな気分にさせてくれる建築になっていれば良いのだけれど…。

 

シミズ毎日さんは地域に根付いた心温まる記事を書く新聞社です。

地元だからこそ見えてくる風景や様々な出来事に注目し、生活との一体感を目指すその姿勢は、僕たちも見習うべきところです。



Ryosuke 

RIMG0268

古い民家と神社の間に建つ小さな二つの家『加藤先生の家』



RIMG0048

路地庭正面から。レトロ風の外灯は女性に好評!男性に不評?
これから植栽されて、もっと賑やかに


RIMG0285

カーポート現在施行中(枕木) 工事も大詰め!




僕は『加藤先生の家』の現場に来るといつも、元気を貰っています。
それはお施主さんである加藤先生の元気でポジティブなお人柄や、職人さん達の真摯に取り組む姿勢による影響がとても大きく、やはり家づくりは人と人との繋がりがあって初めて良いものができるのだなぁと今になって感じている次第です…。


一枚目の写真は、少し引いた位置から家を眺めてみたものです。
これを見る限り、この家は周辺の町並みの風景にとけ込んでいるというわけではありません。町に溶け込むというより、小さくても個性があって、町を明るく変えるアクセントになっている?それはまるで加藤先生のようでもあり…。


ずっと思っていたんですけど、
家とそこに住む人って似てませんか?


たとえば身の回りにある小さな物から考えて、着ている服、家具、その配置の仕方やカーテンの色、家の間取り、部屋の数、家の大きさ、外壁の色、外観、庭に生えている木や花までも、そこに住む人っぽくなってくるというか、なっているというか、お互いに影響し合っている関係だと思うんです。同じ時間を共有すればするほどアイデンティティが宿り、人と共に生きているように見えてくる。だからお施主さんが家作りに関われば関わるほど、相性は良くなるだろうし、家は人に似てきて、人は家に似てくる。

人と人がお互い違う顔をしているように
年をとり顔に皺を残していくように

これから先、住みながら建物や庭に手を加えていき、加藤先生の人柄が家の表情としてもっと滲み出てくるのが今から楽しみです。



その人らしさを、より引き出してくれる家…
そう考えると、住宅の設計において建築家の作家性を施主の個性に消化させるためのバランスは、とても際どい



Ryosuke 

RIMG0278



現在計画中の、ワンルームマンションのスタディ模型。
静岡市中心街にほど近い、大通りに面した好立地な場所なので、
ファサード模型、内部模型の両方から検討しているのですが、
未だ決定打が見つかりません。

部屋の広さと、
戸数との収益のバランスをスタディーしている中で、
メゾネットタイプの有効な活用を見つけました。

静岡市内では、ワンルームのメゾネットはまだ無いようです。
オーナーも初めてのことで躊躇していましたが、
説得の甲斐あって、『GO』の了解を得たばかりです。

プランをもう少し煮詰めたいのですが、
時間がありません。

基本設計と実施設計。
どうみても、基本計画、基本設計に割く時間が多いものですから、
いつも実施設計が甘く、あたふたしてしまいます。

nobu







このページのトップヘ