青木設計事務所の建築ブログ

静岡を拠点に活動する青木設計事務所のブログです。 家づくりをしながら考えていることや実家の井川のことなど 日々を綴ります。

ホームページ:http://aokiarchi.jp

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着々と進んでいる「 I 邸 」のリノベーション
30年以上住み慣れた持ち家の、水回りからリビング寝室まで、ほぼ全ての空間が生まれ変わります。
吹き抜けだった部分をギャラリーにしたり、 防音室を作ったりもして。
今の自分の生き方にフィットさせて考えることができるのがリノベーションの良いところですね!
施主さんからすると、すでにそこに空間があるから、ああしたいこうしたいとイメージしやすいみたいです。
しかし、当時の図面と違うこともしばしばで、下地もわからなかったりするので、壊してみないと分からない部分が多く、現場の職人さんたちは本当に大変そうです。
また進捗をご報告します。

良介

 

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写真上2枚が「明王寺書院・庫裡再建 新築工事」の既存建物
写真下2枚が「馬渕の家 新築工事(仮)」の既存建物

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二つの現場の既存建物の解体直前の写真です。

どちらも蓄積された気配だけが残る静かな空間。
解体直前の建物は、どこか似たような雰囲気を帯びています。

何十年とそこに生きてきた建築の最後の瞬間に立ち会うと、それだけで祈るような気持ちになります。
僕らですら気持ちが揺さぶられるのだから、そこに暮らしていた人にとっては、もっともっと大きなことなのだと思います。
この気持ちを大切に、次の世代の建物や町に継承していきたいものです。
人にもモノにも、何事にも、心を通わせていきたいです。

良介



 

ながぬまの家外観昼2
ながぬまの家1階タイル4
ながぬまの家内観一階1
ながぬまの家1階内観6
ながぬまの家2階2
ながぬまの家3階7
ながぬまの家外観1-2

住み始めてから数ヶ月経ったこのタイミングで建物の写真を撮らせていただきました。
近日ホームページに公開します。
本ブログで何枚かご紹介。
お楽しみに!




 

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ふわっとした明かりの、雲の中のような空間体験。
白くて角がない空間。
光源もない、足音もしない 。
風もなければ、音もない。
フラットな世界。

そんな空間の中で、モネの絵を鑑賞してきました。

現在開催されているポーラ美術館の企画展です。
会場構成を建築家の中山英之さんが手がけています。
中山さんと言えば「おとぎ話×建築理論」のお方(という個人的な印象)
僕が学生の頃から憧れの建築家さんでして
この人の本は何冊も読んでいるし、今だに影響を受けまくっているお方です。
中山さんらしい建築概念の浮世離れした空間を体験したくて、行ってきました。

ただ、これ言ったら怒られそうだけど
正直、今回のこの展示空間を体験した感想は、
ちょっと気持ち悪いかも?でした。
目眩がしてしまって、、僕の三半規管が弱いからかな。
それくらいに異質な空間に感じました。


通常の展示では、作品を照らすスポットライトにより絵に焦点が当たっているのに対し
この展示には光源は無く、明るさの焦点もありません。
モネの絵も、鑑賞者である人も、全てが明るくフラットな関係です。
ふわっとした光の中に、自分も、他の鑑賞者も、モネの絵も
同時に同じような条件で存在している。
まさに、光の中に、です。 
白い曲線の空間の中で自分次第で絵に焦点を当てて、絵と向き合うことになります。
僕はウネウネしているトタンの素材感と他の鑑賞者が気になりすぎて、
なかなか絵に意識を持っていくことができなかったです。

また、「どこまでも続いていくような空間」を狙って空間の角は曲面になっていましたが
空間の輪郭を消したいのであれば、あまりにも空間ボリュームが無さすぎると思いました。
白い洞窟の中に閉じ込められているような身体感覚でした。
ずっとカメラのピントがずれているような。 
それで気持ち悪くなったのかな?
ネガティブなことばかり言ってすみません、、

一番の違和感は、
森の中に沈み込むような体験を経てたどり着く美しいポーラ美術館という建築においてやるべき展示ではないのではないか、と思ってしまったことです。
この日は、周辺の森は霧に包まれた幻想的な景色で、モネの展示空間の仮想世界は文字通り霞んでしまいました。
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ちなみに上の写真は、モネの展示と同時にポーラ美術館で開催されていたロニ・ホーンという作家の展示です。
環境を映す水のようなガラスの彫刻。 
自然に呼応していて、素直に響きました。良かったです。


とはいえ、
印象派のモネに時代背景を踏まえて寄り添い
モネが絵を描いた時の環境の色味に近づける体験を目指した 
今回の展示、考え方には脱帽です。
とても自分ではこのような哲学的なことは思いつきません。 
そこにあったモネの絵は、モネの絵ではないような印象で、モネの絵を身近に感じさえしました。
とても刺激を受けたので、日々の空間づくりに活かしていきたいです。


良介

永楽町アパートメントCG3-211102
永楽町アパートメントCG2オレンジ


昨年、コロナの影響で延期となったアパートの計画が
土地を変えて進行し、この度着工を迎えました。
清水区の永楽町に建つ「永楽町アパートメント」

コロナ以前と以後で
住まいのあり方、建築のあり方が変わってきました。

本建築はワンルームアパートですが、
一部屋の大きさを通常の1.5倍ほどとし、
さらにリモートワークでの使用を見据えた防音仕様にしました。
居住空間の快適性と自由度を求める声を反映させた設計になっています。 

ちなみに正面の壁の色は、建築主と対話している中で好みで決まりました^ - ^
楽しみです!

2022年3月竣工です。



 

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伊東豊雄著「美しい建築に人は集まる」を読みました。
県立図書館で見つけて、その日のうちに一気読みしました。

設計事務所を始められて50年の伊東豊雄さん。
一昨年には脳梗塞を経験されたとのこと。知らなかった、、
本書の中では、これまでのご自身の人生や、過去生み出した建築について振り返られており、更にこれからの建築についても語ってくれています。
先日もこのブログに書いたように、伊東さんの建物や建築概念に影響を受けた世代の僕としては、胸が熱くなる内容でした。


本著の中で伊東さんは、「今、どういう建築をつくりたいか?」と問われたら、「美しい建築をつくりたい、それに尽きる」と断言されていました。
「いつからか、建築が美しいとか、あれは美しい建築だと言うようなことを、人はあまり言わなくなった。コンセプトと言う言葉で、建築を語るようになった。それは、都市の理屈で建築を考えているからではないかと思います。」とのこと。
さらに
「今の若い人たちはシェアスペースの仕組みづくりや空き家の改修等のプログラムにポジティブで、それらは家族のあり方やプライバシーの概念を変え、社会をラディカルに変えていくのかもしれない。しかし、美しいものをつくろうと言う気はないように思う、むしろ美に関しては無関心、もしくは諦めている。僕は美にこだわりたい」とのこと。
この言葉はとても響きました。

コンセプトに沿って建築をつくることが目的自体になってはもちろんダメだし、概念や環境をデザインすることに比重を置いてしまって、建築の一番の魅力である実態ある大きな物質の‘美’をないがしろにしてしまってはいけない。
理屈はもちろん大事だけど、もっと、場として、環境として、存在として、美しいものを目指す視点を大きく持つべきだな、と改めて考えさせられました。
「美しい建築に人は集まる」とは、建築の真髄だと思います。

一方で、これからの建築についてはこう述べられています。
「これからの建築は、人と自然と建築との関係を、もう一回どう組み直すか」である、と。
東日本大震災の復興や、大三島でのライフワークを経ての言葉には重みがありますね。

伊東さんの言う美しい建築の一つは、五感に訴えかける「内なる自然」を持った建築のこと。
先日僕らも体験した「ぎふメディアコスモス」は、それが実現できている手応えのある作品の一つと紹介されていたので、やっぱりそうなんだ!と思って嬉しくなりました。内なる世界観を持った建築の構成とディテールは美しく、さらに木や布を使った素材選びやサイン・装飾のデザインにぬくもりが感じられて、大きな建築なのに近くに感じれらて、優しかったのです。これが現時点での一つの答えか、と思いました。
巨匠であっても、時代とともに日々変化し、理想を追い求めている姿はとてもかっこいいです。

本著は、御年80歳の巨匠建築家の人間的な部分、建築の根源的な部分が垣間見える本です。
興味のある方はぜひ^ - ^

良介



 

青木設計事務所 オープンデスク・インターンシップ募集


青木設計事務所では、お寺の設計監理をはじめ
これまでにないプロジェクトがいくつか控えています。
今年の夏は、オープンデスク・インターンシップを募集します。
設計事務所に興味のある方、青木設計事務所の仕事を見てみたい方
建築に意欲のある方、どなたでもかまいません。
僕たちと一緒にワクワクする建築をつくりませんか?
応募お待ちしています。


主な仕事内容
・模型製作
・ワークショップ企画
・現場監理補佐
etc

連絡先
青木設計事務所 青木良介
電話:090-3954-1738
メール:ryosuke@aokiarchi.jp 


 

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藤枝のガレージハウス、現場は着々と進んでいます。
青木設計事務所としては久しぶりの平屋のせいか、平屋って贅沢だなぁと思いながら現場に通っています^^;。
いや、もちろん、2階建てでも、3階建てでも、目指す方向性は同じなのですが。
自分の把握できる空間範囲で、管理しやすい大きさで、程よく外と繋がり、明るくて、風が抜けて、落ち着ける、そんな空間を平屋は造りやすいのだなと思います。
この家はまた、ガレージと相まって家全体が、内部でも外部でもないような縁側のように気持ちの良い空間になる予感がします。

良介


 

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瀬名川で行なったリフォームのご紹介です。
タイルを主役にして、古くなった水回り空間をリニューアルしました。
とってもエレガントで個性的な奥様と、毎回楽しく打ち合わせしながら造り上げた空間は、奥様にぴったりな雰囲気の空間になりました!家の中で、ここだけ別世界のようです。青木設計事務所では初めての雰囲気です。
水回りのリフォームって、小空間だからこそ、思い切り遊びを入れられますよね。

お家時間が増えた昨今、こういったリフォームはとっても有効だと思います。
家に個性が出るし、実際に住んでいる人の気持ちが上がります。
今度機会があったらモザイクタイルやらせてもらいたいかな、、なんて
とても発見の多いリフォーム工事でした^ - ^

良介




 

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今年も家族総出のお茶摘です。
一年間草取り、お茶刈り、肥料まきと世話をしての収穫です。
育ちが良く、平年に比べ1週間ほど早いお茶摘みとなりました。
初日の天気は暑くもなく寒くもなく良い一日でした。
土曜日・日曜日と二日間の予定でしたが、日曜日はあいにくの雨で摘むことができず、
来週に持ち越しです。
今年は 梅雨入りも早いらしく、週末の一日でも晴れを期待するばかりです。
農業は手をかければかけるほど答えてくれます。
来週、もう一踏ん張りです。
 

nobu 

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