「風呂と入浴」の記事を読みました。
入浴は人間にとって本来 「蘇生の場」であると言うことです。衛生的に身体を清めるだけではなく、気力を蓄え元気をつけ心身のコンディションを整えるための「英気」を養う場であるようです。

私にとっての 入浴と言えば、身体の汚れを洗い流し、気持ちもスッキリとリラックスして湯船に浸かりながら物思いにふけることもあれば、今日一日の良かったこと、悪かったことを考えたり、気分が良ければ鼻唄など歌ったりします。考えて見ればそれらはリフレッシュすることですから、まさしく「蘇生」だと思いました。この記事を読むまで考えもしませんでした。

私が育った田舎のお風呂は小判形の桧風呂 でした。鉄の釜が風呂桶内にむき出しのため体が釜に触ろうものなら熱くてたまりませんから気をつけながら入ったものです。浴室の床は土間、洗い場は木製スノコ、その隣にモザイクタイルの四角い洗面流し、着替えや下着をおく棚があり広さは3帖ほどの一室空間で、今風の浴室空間を先取りしていたように思います。
そんな浴室でもこんなふうに過去の記憶を呼び覚ましたり、懐かしい感情を引き出してくれます。湯船に浸かった時の「あ〜きもちい〜」の安堵感は誰もが体験していると思います。 

浴室は、最近ではFRP製のユニットバスを使うケースも多くなりました。在来工法にしろユニットバスを使うにしろ少なくとも外部との関係性や繋がりを考えることで、その空気感を自然と感じることができると思います。その心地よさは、機能性はもちろんのことメンタル面でもいつまでも記憶に残り、そこに浸りたいと思う空間になるはずです。

浴室は「蘇生」の場であることをもう一度見つめ、それを感じさせる空間造りが大事なことと思いました。




nobu