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終戦後間もない頃、日本の通算官僚たち(現在の経済産業省)は、未来を見つめ、世界と肩を並べても遜色ない豊かな国造りを目指していました。そんな高度施長期の真っ只中の時代背景をもとに描かれた城山三郎著の経済小説です。

今から40年以上も前に出版されたこともあり、普段あまり本を読まない私でさえその時代を生きてきたこともあり、のめり込むように一気に読んでしまいました。

政治家、官僚の資質が取り上げられ、汚職、不祥事、改竄と世間を騒がせる事が多い昨今ですが、ここに描かれている官僚たちは、心底国家のため、国民のために身を削るような苦労を厭わず努力する姿が描かれています。名前こそ変えてありますが、実在の大物政治家を交えて歴史が語られています。

国家のため、国民のためという大義、大命題は同じでも、考えの違いが省内に錯綜するなか、国の方針が決定され歴史が動く様は読み応えがあります。

現在の日本を世界でも有数の経済大国にまで押し上げる要となり、礎を築いた国家の中枢を担う官僚たちが、政治家を巻き込みながらどんな思いで、何を目指して日々奮闘していたのか、僅かですが知ることができました。

この流れで、次は「落日燃ゆ」。 



nobu