


第二案




狭小敷地に建つ若い夫婦の住宅案
ご要望は
・駐車2台
・三階建て
・1階は親御さんの宿泊エリアで将来はテナントになる
・2階・3階は主な生活部分
・将来の子供のことも考えて
・低コスト
以上の条件から2案をプレゼンしました。
上の写真はその模型です。(模型に階段は入ってません!時間が間に合いませんでした…。)
第一案は、
敷地の中に取れる最大のボリュームを取りつつ、低予算のことを考え、一階は大きな土間と上がり間、2階・3階は家具とスキップフロアを一体として考えたワンルームになっています。色彩によって壁のない空間に変化をつけています。
第二案は、
一階にお風呂洗面をまとめ、2・3階を二つのボリュームに分けてプライベートな明るい外部を楽しむ計画になっています。狭小敷地にさらに狭小のボリュームを置くことで、第一案より5坪ほど小さくなりました。
模型を使った打ち合わせはとても盛り上がり、お施主さんも喜んでくれていたのでこちらも期待していたのですが、残念ながら良い返事はもらえず他社へ…。
お施主さんにニ案以上をお見せすることは、こちらの方向性が定まっていない証拠…。その辺でも迷いがあったのかもしれません。実力不足。そして、悔しいです。
打ち合わせをしていると、ほとんどのお客さんはなるべく広く大きな家を望んでいるのだろうと感じます。それはごく自然なことなのかもしれないけど、居心地や振る舞いは決して広さだけでは語れないものがあります。実際の建築空間は、様々な要素の関係の中で成り立っているからです。
建築を計画するにあたって、その敷地にできるだけ大きく空間をとることはそう難しいことではなく、豊かな小空間を作ることの方が技術と感性がより必要になってきます(そこには少しのアイデアがなければ)。4畳半、6畳、8畳…という空間の印象を変える物差しが…。
ほんと、プレゼンって大切ですね…。
つくり方次第ですが、小さな空間を狭いと感じるか落ち着くと感じるか、窮屈と感じるかコンパクトで使いやすいと感じるか、それは建築空間と向き合う時に意識一つで変えられる一番簡単な楽しみ方ではないでしょうか。今風に言えば、kawaiiとかもある種の意識改革…
今回のニつの案はそういった広さの面で言うと、上記の要望を満たした上での最大と最小の面積を取った対局にあるニ案です。このふたつの案を見せてしまった僕たちはやはりブレてしまった、ということでしょう。
Ryosuke