

「徹」 設計:藤森照信
清春芸術村の広場の隅っこに、小さくてかわいらしい、まるで自分の手の中におさまる宝石のようのような建物があります。藤森照信さん設計の小さな茶室「徹」です。
思わず自分もほしい!と思ってしまうくらい、子供心をくすぐられました。
藤森さんの何がすごいって、好きなものをおもいっきり楽しんでつくっているのに、ちゃんと美しい建築になっているところ。
そして建築界以外の多くの人の心をとらえて離さないところです。
人の手でしか生み出せなそうにないこの優しい建築は、例のごとく縄文建築団の手によって仕上げられたようです(縄文建築団とは藤森さんをはじめとする素人だけの施工集団です)。
正直、憧れます、縄文建築団。
同じ志のもと、一声で集まり合える仲間がいるってすごいことですよね!
建築の場合、共同作業で成し遂げるからこそ、その意味が増すと思うんです。
藤森さんは今の建築界が忘れかけている、自分たちでつくることの喜びや建築の楽しさを身を以て発信し続けてくれています。
自分も影響された一人で、「加藤先生の家」では塗装工事やタイル工事など、仕上げに関わる部分の施工はなるべく自分たちの手で行いました。これからは影響されるだけではなく、自分たちなりのスタイルを確立していきたいものです。
清春芸術村にある「徹」は、普段は中に入れず一つのオブジェのような位置付けです。
でもこのワクワクする建築の存在が、芸術村全体の世界観を作り出している気がしました。
Ryosuke