画像は着工したばかりの「明王寺書院庫裡再建工事の屋根構造軸組のモックアップです。
切妻屋根が直行する隅木(谷部分)の軒先納まりの模型です。
軒桁・登り梁・隅木・母屋・垂木・幕板・その他羽柄材と各部材が絡み合います。
プレカット施工図の打ち合わせした直後に大工さん自ら造ってくれました。
その意気込みをひしひしと感じ頭が下がる思いです。
このモックアップにより図面では描ききれない、机上の打ち合わせでも分かりかねる事が
浮き彫りになります。
本来の物造りはこうした地道な行為の蓄積と思います。
建築は、数多くの人達が関わる営みです。
職人はもとより監督さん、それを担う事務方、役所の人たち、建材メーカー、
それらを運搬処分する人達と 数限りない多くの方の支えのもと一つの建物が完成します。
そのためには、完成時に建築主をはじめ皆が誇りに思えるような
そんな気持ちに少しでも近づけるように、
私達も工事に携わる一職人として日々努力研磨しなければならない思いです。
今年も一年が過ぎようとしています。
昨年来から続くこのコロナ禍を契機にこれまでの様々な価値が見直されています。
住まいも同じことが言えます。
リモートワークが増えることで家族関係に衝突が起こることも報じられています。
これまで良しとされていたことが一転して否定されるとすれば、
生活自体を見直すことも必要であり、
住まい方自体を再考しなければならない時代かもしれません。
また、世界的な課題として脱炭素社会の実現が取り沙汰されます。
温室効果ガス排出を減らすために建築に携わる 者として、
積極的に取り入れることは大事なことです。
本質は何か?それは建築に限らず あらゆるものに通じる事で、
そこを見失う事なく仕事に従事していかなければなりません。
そんなことをあらためて感じさせてくれた一年でした。
つたないブログですが、こうしてアクセスして下さる方々に感謝の念が絶えません。
皆さま、良いお年をお迎え下さい。
そして、来年が皆様にとって良き年でありますように。
来たる2022年においても、
青木設計事務所をどうぞよろしくお願い申し上げます。
令和3年12月31日
青木設計事務所 青木信浩 青木良介