設計事務所の仕事を机上の訳から言えば、設計とは基本設計から見積もり可能な実施設計までを指し、監理とは設計図どうり施工がなされているか施工者及び現場監督を監理することとなります。設計士の仕事ならこれでも良いのですが、建築家の仕事となるとこれでは満足できません。設計監理とは、クライアントと何度も打ち合わせを重ね、ようやく出来上がった設計図に、魂を吹き込む仕事です。特にディテールが重要です。ミースファンデルローエは、「ディテールに神が宿る」という名句を残しました。建築士の感性、ノウハウ、経験、そして美への探求が結集され、原寸大のスケールでこの世に生まれ出る事に、最大限の集中を持ってして望まねば、到底建築士の仕事とは言えません。少し忘れかけていたものをバカ息子が思い出させてくれました。安易な判断やイージーな回答が建築をダメにしてしまいます。監理にあたって、建築士自ら、施工図を描くくらいの意気込みが最低限必要だと痛感しています。そして強い信念。今からでも遅くはないと自ら叱咤激励し「本物の建築士」を目指したいです。


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