昔の写真をパラパラ見ていると、なにやら存在感のある顔が・・・
これは、ドイツの建築家ピーター・ヒュープナーによるシュタムハイム青少年クラブという施設。
「建築って《自由》なんだ!」と僕の価値観を広げてくれた建築でもあります。
さすがにこの顔はやりすぎじゃないかと思いつつ、
実際に見に行くと、そんなのすぐに吹っ飛びました。
開口部は直角なんて無視して流れるように開いていたり、
よくわからない方向にポコポコ増築したような跡があったり、
柱は子供が掘ったような愛嬌のある精度で彫刻されていたり、
ハッピーな気持ちにさせてくれるモザイクタイルがあちこちにちりばめられていたり・・・
これは、図面を書けと言われてもムリです。
(実際、施工するときに図面はなかったそうで)
まるで子供が描く絵のような自由な建築
この町には悲しい歴史があって、未来の子供達のために地元の人達が集結してセルフビルドでつくりあげた、というエピソードを学校の授業で教わったような記憶があります(たしか)・・・。施工当時から20年以上経っているのに、つくっていた人達の当時の笑顔や願いが今も伝わってきます。
愛情のこもった手料理が世界一おいしいのと同じで、ここで過ごす子達はみんなこの建築が大好き!
そんなこんなで町で知らない人は居ないというこの有名人は、魂が宿って今にも動き出しそうなほどの生き生きしさと、優しい表情をしていました。
こういう施設だからこそ、みんなでつくる意味があるんだなぁ。
そういえば昔の人は、自分たちの祈りの空間(教会)は自分たちの手でつくったとか・・・
この建築の設計者はきっと気づいていたんだろう。
一人では到底到達できないところへ、みんなと一緒になら行けるということを。
Ryosuke
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