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写真は「岩本町の家」遠景です。
以前にも紹介したことがある大きい家です。
建物をいくつもの棟に分解して、町に対して威圧感が出ないような建ち方を目指しました。
同時に、敷地周辺の家々の窓からプライベートな生活空間を直接見られないように、
棟の高さや窓の配置を考えて設計しています。

この建物の方針を決めた初期の頃は、
キュービックな形式や庭の取り方等、建物のコンセプトに捉われすぎて、
この大きな住宅の設計に窮屈さを感じていました。

打ち合わせを重ねて、施主の大らかな人柄に触れるうちに、
型苦しい形式のようなものを求めているのは設計士だけであり、それはエゴなのではないかと思い、自由に崩していった方が施主の求める豊かな家になるのではないかと考えるようになりました。何気ない一言や、発見した敷地の特徴を、部分部分に積極的に反映させて行くことにしました。大きいからこそ、部分部分に注視し、それを時間をかけて集合させ、形にしたものがこの住宅です。
この住宅を通して、建築が本来持っている自由さを見つめ直せた気がします。



nobu