もう一ヶ月ほども前になりますが、静岡県立美術館にて開催された「きたれ バウハウス」展に行ってきました。
バウハウスはおよそ100年ほど前にドイツにできた造作芸術の総合学校です。初代校長の近代建築の巨匠のひとりでもあるワルターグロピウスが「造形活動の最終目標が建築」という基本理念のもと開講されました。

これはバウハウスのカリキュラムです。
IMG_0328
中央にBAU(建築)があり、それを目指して三段階のカリキュラムを突破しなければ「BAU」まで行き着けません。学生は木、石、金属、土、ガラスといった素材の中から一つを選び、当時ドイツの芸術・デザインを牽引していた教授陣の工房で修行し、手工技術とデザイン理論を取得した後に最終目標の建築へと進みます。
建築が最終目標とありますが皆が皆建築を目指したわけではありません。工房では人間の生活をテーマに様々な領域の新しいデザインを生み出すことを基本教育としていました。ですからバウハウスからは建築に限らず幅広い分野で活躍する人たちを排出しています。
IMG_0327

建築を最終目標と位置付けたグロピウスの理念は、建築は、装飾、家具、調度品、絵画、彫刻とあらゆる芸術を内包する総合芸術と捉えていたと思います。建築家を目指すものは、それらを自ら学び取得することを教示していたものと思います。

孔子の言葉に「60にして耳したがう」ということわざがありますが、私はすでに60代半ばです。そんな私には耳の痛い話で、「60代半ばにしてまだまだ道半ばです。」(本来の意味は、「60代は経験も豊富で何を聞いても驚かない」です。)



nobu