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ちょっと前に行った建築展について書こうと思います。



「ヘザウィック・スタジオ展 -共感する建築-」

トーマス・ヘザウィック
ロンドンオリンピックの聖火台をデザインした人、と言えば分かる人もいるかもしれません。
僕はあの花束のような聖火台が大好きで、それをつくった人が建築家だったことにも驚き、日本で展示会があると知った時にこれは行かねば!と思い急いで足を運んだ次第です。


建築展のポスターにあるタイトルは「Building Souulfulness」
直訳すると「魂がこもっている建物」

展示会の中でヘザウィックさんご本人がしきりに言っていたことは、
「愛されない建物は壊される」という提言でした。

逆に言えば、愛される建物は残る、ということ。
30年~40年で壊して建ててを繰り返してきた日本ではあまりこの価値観は感じられないかもしれないけど、長く使われているものは建築に限らずみな愛されているものだと思います。
記憶に残り、愛される建物、1000年続く建物をつくる。
展示物に圧倒され、そんなことを本気で考えている人なのだと思い知らされました。


それから、魂がこもっている建物について語っていた部分で
「人が泣ける場所をつくる」という言葉が刺さって仕方がなかった。
病院の設計をするときのインタビューだったと思います。
根底にあるのは、単なる建物をつくるのではなく「感情の建築」をつくること。
この人の造っている建物は、大きいものばかりなのに人間の身体性(ヒューマンスケール)から離れないように小さなものの集合体(反復)としてデザインされているものばかりだと気付きました。
植物のような、生き物のような、誰も見たことのないような。
それは僕が最初に見たロンドンオリンピックの聖火台も同じで。
全てが繋がり出しました。

ヘザウィック・スタジオは、夢のある造形的な設計を、現実的に言語化して建築の一つの真理に辿り着いているように思います。
かつての建築の巨匠たちが言った「形態は機能に従属する」や「神は細部に宿る」と言った思想を、華麗に更新している。先頭を切っている世界的建築家でありデザイナーだと思いました。


そしてこの展示会を通して一番思ったこと
「建物はもっと人の心に寄り添える」



良介