先週末、秋晴れの空の下「掛川の家」が無事上棟しました!
骨組みの段階でその雰囲気が垣間見得ました。
さあ現場、頑張ります!
良介
静岡を拠点に活動する青木設計事務所のブログです。 家づくりをしながら考えていることや実家の井川のことなど 日々を綴ります。
またまた、城山三郎です。少しはまっています。
第五代元国鉄総裁石田禮介の生涯が描かれています。初めて聞く名前です。城山三郎が描き出す人間は皆気骨のある、凛とした姿で、毅然とした態度、卑なるものを排除した人物像です。
石田禮介は、その中でも極めて「凄みと大らかさ」を持ち合わせた魅力ある人間として描かれています。
総裁を任されるにあたり、報酬は年にブランデー1本で構わないという条件をつけさせるあたりは、いくら財界人といっても並みの人間ではそうそう出来るものではありません。だからこそ国会議員相手に怯むことなく、自分の信念を貫き、国鉄の組織改革を成し遂げられたのかもしれません。国鉄総裁として石田禮介がなによりも重要視した事には「人々の安全とパブリックサービス」を第一に考えたことでした。そのための予算を国から導き出すために、国会、官僚、大臣とのやりとりでは、相手を翻弄させ、ぐうの音も言わせないあたりは圧巻です。遂には与野党議員から惜しまれつつ職を辞める事になる辺りも人間としての奥深さ、人格者であった事は間違いありません。
80歳を過ぎて、自分の記憶力の衰えを察して辞任するあたりは、引き際も潔いです。
先頃亡くなられた京セラの創業者稲盛和夫氏も日本航空の再建を任された折、無報酬で職に就き見事その建て直しをされました。
経営の神様、人格者と言われる財界人は、任された仕事に誠心誠意、虚心坦懐、仕事に取り組み、見事にその期待に応えられる経験、知識、力量を備えています。
叙勲授与を拒否した財界人は何人かいるようですが、石田禮介も最後まで受け取らなかったその一人とありました。
「精神のダンディズム」と表現しています。
主流に対して抵抗・反抗しつつも、自分のルールや美学を持ち合わせている。石田禮介にとって人間の価値を役所に決められる事に抵抗があったようです。
「租にして野だが卑ではない」
性格は粗野てぶっきらぼうだが卑しさは持ち合わせていない。そんな石田禮介の人物と生き方を知る事ができました。この歳になった私でも、自らを省み、行いを改めるべく、今後の生き方として、自分のルールと美学を持ち合わせた生き方を見いだしたいものです。
nobu